スラムオンライン

 
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 ネットゲーム中毒の主人公が、大学でメガネ不思議ちゃんをゲット!
 『よくわかる現代魔法』の桜坂洋が放つSF青春『スラムオンライン』を取り上げました!



e0076213_23263870.gif なんだか大学の頃を思い出して、切なくなっちゃいました。大学一年生の頃、仲が良かったオトコノコに私もよくノートを見せてあげたりしていました。結構趣味も似ていて、ゲームの話をしていました。ときどき、大学の外でご飯食べようって誘われていたけど、もしかして私にちょっとドキドキしてくれていたのかも……なんて思っちゃいました。結局、その人はいつの間にか大学に来なくなって、部屋でネットゲームばかりしているって噂がありました。だからネットゲームってちょっと暗い世界なのかなあって思ってたんですけど、本当は奥が深くて哲学的な世界だったんですね! ちょっぴり再発見です。
★★★★★ ★★★(8点)


e0076213_23304230.gif ゲーマー小説としての問題意識は正鵠を射ている。バーチャルな自己実現の可能性と限界、そしてリアルな他者からの承認の必要性。しかしその二つをうまく接続できていない。カノジョに認めてもらうことだけが戦う理由というのでは「ゲームをやるためにゲームをやっていた」という独白と矛盾しているし、坂上悦郎がパクのプレイヤーと相容れない理由も不明確だ。テツオとしての自己実現が坂上悦郎にフィードバックされ、坂上悦郎としての承認がテツオの戦う理由となるためには、もう一歩の踏み込みが必要だった。そのあたりをクリアにした上でもう一度このテーマに挑戦すれば、かなり面白い小説になるのではないかと思う。
★★★★★ ★ (6点)


e0076213_2327222.gif「俺より強い奴に逢いに行く」を地で行くネトゲ廃人の話なんだけど、現実側の恋愛パートがイタすぎるのが致命的。「幸せの青い猫」を探す不思議ちゃんと大学の講義で知り合ってゲーセンデート、途中DQNと乱闘して介抱されてるうちに終電逃すって……オタクが妄想する恋愛フラグそのまんまじゃん。おかげでリアルとバーチャルの狭間での煩悶にも切実さが感じられないし、終盤の自己発見もなんだかただの開き直りみたい。リアルの嘘臭さとバーチャルの現実感の対比という目線もありきたりで、オタクの実存小説としてもゲーム小説としても中途半端な出来。前作『All You~』が秀作だっただけに、なおさら不完全燃焼の感が強い。残念。
★★★★ (4点)


e0076213_23275741.gif ハッキリ言ってオタク向けの「失楽園」(もち渡辺淳一の)。要約すると「ゲームの世界で人生哲学を学んだ俺の魅力に、ベタボレしてくれる彼女とめぐりあいました」という話で、ダメオタの妄想を何の批評意識もなく(作者はありまくりのつもりなんだろうけど)紙に焼き付けただけの小説。東浩紀も他に褒めるものがないからって、コレはないでしょうに。まあ、夫人がモデルだって噂だし、恋愛パートだけならまだ受験生向けのドリームノートとして微笑ましく読めなくもないが、終盤の底の浅すぎる人生論だか仮想現実論だかはマジにゲンナリ。力はある人なんだから、こういうのは周囲の人が止めてあげないと。
★★★  (3点)
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by wakusei2ndnews | 2005-10-30 23:29 | novel
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