平成マシンガンズ


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 今年も発動、河出文藝賞メソッド! 選考委員が口を揃えて「15歳だから受賞させたんじゃない」と説明した三並夏『平成マシンガンズ』。現役女子中学生の、実力はいかに!?
 

e0076213_20563265.gif 綿矢りさちゃんに続く天才がついに登場です! 私も、中学や高校の頃はクラスのすみの方で、グループの人間関係のことばかり考えていました。あの頃って本当に生きている世界が狭くて、息苦しくて……この作品はそんな頃のことを思い出させてくれます。か弱い女の子が世の中のことをシビアに捉えた上で強く生きていこうとするところとか、「夢の中に出てくるマシンガン」って発想とか、私の大好きな桜庭一樹さんみたいでとっても共感できます。きっと次の作品や、次の次の作品だとこの厳しい世界で具体的にどうやって生きていくのかが描かれるんじゃないかなあと思うので今からドキドキです。
★★★★★ ★★★★★ (10点)


e0076213_20571267.gif 文体も話も決して突出してるとは思わないしラストも唐突な感は確かにある。15歳という年齢だっていず14,13歳の新人が出てきて追い抜かれるだろう、でもここまで切実な、今書かざるおえなかったという切実感が漂う作品というのはめったに出会えないし仮にこの作者がスキルを上げていったとしても、もうこういう作品は書けないと思う。その意味で大変貴重で結論を言うとコレは知識も経験も未熟な15歳の女の子が未熟なりに生きていくために考え出した思想書だと思う。他者に依存しない承認を求めない、まず強くなり自分を取り巻く環境について知りマシンガンを向ける相手について考えようという出発点は凛としていてカッコいい。だから評価する。
★★★★★ ★★★★★ (10点)


e0076213_20573391.gif 15歳という作者の年齢抜きには読めないわけですが、若者の「瑞々しい感性」を評価するか、「世界の狭さ」を批判するかと言われれば、後者寄りかな。いじめ、登校拒否、義母との不仲、父親との冷えた関係、実母からの拒絶。自分にとっては悲劇であっても、それらは世界中で起きているありふれた事件である、という透徹した認識に至ることで主人公は前に進む。けれど、それは開けているようでいて狭い、ただの諦念なのではないでしょうか。なにより、15歳でこんな小説を書けてしまうのは悲しいことだ。現役中学生ならもっと青臭く拘泥し続けようよ、あらゆることにさあ!
★★★★ (4点)


e0076213_20575624.gif 一昨年出ていれば褒められたのに。このタイミングで出てきても『蹴りたい背中』『野ブタ。をプロデュース』と続いた河出スクールカースト系の最後尾にしかならない。類似品量産するとジャンルごと陳腐化するからやめようよ(笑)。まあ、出来自体は悪くなくて、文章もややあざといが達者。安易に和解や恋愛を持ち込まない自己抑制も効いている。けれど、ラストに主人公の少女がたどり着く諦念は前提のそのまた前提。今更「平坦な戦場にようこそ」みたいなこと言われてもねぇ(笑)。15歳という年齢を考えてもこれは射程が短い。これが連ドラの第1話だったらいいんだけど、ここで終りなんでしょ? このマシンガンじゃ豆鉄砲くらいの威力しかない。砂糖菓子よりは効くけど。
★★★★★ (5点)
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by wakusei2ndnews | 2005-12-20 20:58 | novel
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