『千年女優』『東京ゴッドファーザーズ』の今敏監督最新作は、筒井康隆の『パプリカ』。映像化不可能を言われていた原作を、マッドハウスの実力派スタッフたちはどう料理したのか!? 久しぶりに面白いアニメ映画を見ました。もう、次に何が起こるかまったくわからなくて、場面が変わたびに心臓がドキドキ。だってこのお話と世界観だと、本当に展開が想像できませんから! やっぱりアニメ映画って、こうじゃなきゃいけません! 劇場を出たあと、なんだか本当にここが現実なのかどうかわからなくなって、思わず哲学っぽいことを考えちゃいました。これも映画の魔力ですよね! あと、古谷徹さんのキャラがものすごく可愛かったです。なんか癒し系で、パプリカが好きになっちゃうのもなんかわかる気がします。今から今監督の次の作品が楽しみです! (10点) ★★★★★ ★★★★★ 今敏作品はデビュー作からずっと劇場で見ているが、私が初めて面白いと思ったのは前作『東京ゴッドファーザーズ』からである。それは実写とアニメとのズレを見せることの面白さであり「こういうアニメ作家だったのか」と改めて驚いた。『パプリカ』は再び『千年女優』的な幻想世界をやるというので心配したが、結果からいえば杞憂であった。今の偏執的ともいえる細かい描き込みは筒井康隆ワールドの狂気を描くのにぴったりだったし、映画めぐる映画という主題も『千年~』より掘り下げて描かれている。もはやアニメーションの最先鋭は細田守や今敏であり、宮崎駿(ジブリ)や押井守は完全に旧世代である。それをはっきり確認できたのが2006年であった。 (8点) ★★★★★ ★★★ 冒頭からめくるめく洪水のような映像に圧倒される。かといって決して「難解」なだけで作ってはいない。一娯楽映画として出来は二重丸。ただし他の映画からの拝借や、「夢」のビジュアルがまんま大友克洋であったりと今監督の引き出しは少々底が見えてきてしまったかな。ラスボスの倒し方も少し弱いとも思った。 それと06年の声優MVPを決めるなら古谷徹に一票。『カイジ』のナレーションといいこれのデブ学者といい、まだまだ役の幅が広がってこれからも楽しみ。反面林原めぐみの演技は安定した上手さはあるもののこれといった新鮮味はなかったな。しかし「人間顔じゃない、中身よ」と言われたら立つ瀬がないじゃないか。 (8点) ★★★★★ ★★★ 相変わらず何を撮っても事実上「同じ」映画にしかならない今監督。今回もこっちの想像を半歩たりともはみ出さない内容だったが、これはアベレージヒッターとして円熟してきた証拠として素直に評価すべきでしょう。少なくとも、これが今作品初体験なら、チケット代以上に濃厚でスリリングな映像体験を満喫できるはず。ただ、二度目、三度目だとやや物足りないかもしれない。さらに付け加えるなら、筒井自身はもとより、いまどき萌えアニメでももう少し気の利いた形でのメタフィクションを見せてくれるのに、21世紀の現代に「夢と現実が混濁する」なんて単純でベタベタなメタ劇(笑)は、いくらなんでもしんどいよねぇ。 (6点) ★★★★★ ★
by wakusei2ndnews
| 2007-01-23 21:56
| movie
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