2005年 11月 26日 ( 1 )

空中庭園

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 直木賞作家・角田光代の同名小説を小泉今日子主演で映画化。ある平凡な一家の空虚な肖像と、それぞれが抱える心の闇をシニカルに見つめた現代的な家族劇秘密をもたないことをルールにしている京橋家の人々。だが、夫は浮気中、娘は見知らぬ男と関係をもち、息子は学校をサボっていた。そして、最もルールに固執する母親の絵里子にもある秘密があった……。
 豊田利晃監督の逮捕劇と、それに伴うメジャー公開の中止により話題をさらった一作。
 果たして映画自体の出来は?



e0076213_223309.gif 小泉今日子さんのお母さんがキュートで素敵! こんなお茶目でカワイイお母さんと「ともだち母娘ー」って感じでやれたらすっごく楽しいだろうなって思っていたんですけど、話が進むうちにどんどん家族の秘密が出てきてビックリ。普通こんなお話だとドロドロしちゃうんですけど、この映画が不思議なのはそれでいて雰囲気がなんかあっけらかんとしていて気持ちがいいところ。特にクライマックスの小泉さんが雨に打たれるところはゾクゾクっとするシーンなのにとっても綺麗で見とれてしまいました。私はこんな家族絶対いやだけれど、いい映画だと思います。誰だって家族に言えない秘密って、きっとあると思いますし。
★★★★★ ★★★★ (9点)


e0076213_22332950.gif ストーリーは平凡。「あー、あれだろ? なんかこう現代的な家庭の虚構性が暴かれたりして、だけど最後には絆がより深まっちゃったりかなんかするんだろ?」とか思って見てたらまったくもってその通りで、にもかかわらず大変面白かった。役者がとにかくいいんですよ。板尾創路も大楠道代もソニンも二人の子供もみんなよかったけど、なんてったってKYON2ですよ。連邦のモビルスーツは化け物か。
 前半は欠伸が出るほど退屈だけど、誕生日のシーンあたりからぐあーっと面白くなってきますんで、我慢して最後まで見てください。
★★★★★ ★ (6点)


e0076213_22334386.gif モノ凄い離れ業をやってのけた豊田利晃の怪作にして傑作。隠し事のない家族の「病」を描く話ながら、最終的には小泉今日子と大楠道代の親子関係の修復のドラマになるので、下手すれば東芝日曜劇場ぐらいの泣かせ家庭劇にできると思うのだが、豊田はニュータウンやラブホテルといった題材を大きく取り上げ、長回しや回転する画面、血のイメージなどを使って毒々しく味付けし、さらに板尾創路のコミカルさまで加えて、なんとも異形の家族映画にした。元アイドル小泉の仮面を幸せなフリをする主婦の表の顔に使うのも見事で、狂気のはらみ方に奥行きがある。リアルとシュールの狭間を行くこの監督の面目躍如といえるが、刑務所行きがつくづく残念。★★★★★ ★★★★★ (10点)


e0076213_22335818.gif これは郊外映画の秀作にして21世紀版『家族ゲーム』と言っていい出来。角田原作は言わば「モノは溢れるが物語のない郊外」で、「唯一機能している家族という物語」だったわけだが、この映画版は巧くエピソードの取捨選択を行いながら、原作にはない悪意としゃれっ気を盛りこんでポップで異様な独特のフィルムを完成している。特に、被害妄想の果てに見せる小泉今日子の演技は素晴らしい! ソニンと大楠道代のガチンコ勝負、板尾創路と永作博美の掛け合いなど、名シーンと呼ぶほかないシーンの連発も美味し過ぎる。主役の小泉を筆頭にやはり配役の勝利なのだろうが、原作には深度でこそ劣るが、ぐっと幅が広くなっている。
★★★★★ ★★★ (8点)
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by wakusei2ndnews | 2005-11-26 22:34 | movie