2006年 07月 15日 ( 1 )

涼宮ハルヒの憂鬱

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 原作は角川スニーカー文庫の人気ライトノベル。京都アニメーションの高い作画力などで、2006年春期のTVアニメで断トツの話題作となったアニメ版「ハルヒ」を取り上げます。



e0076213_10214451.gif 第1話がなんかいきなり番外編からはじまってびっくりしましたけど、これって原作のお話がバラバラの順番で放映されたんですね。少し戸惑っちゃいましたけど、こんな楽しいアニメは久しぶりでした。文化祭での映画作りとライブ。夏休みの合宿。日曜日の草野球大会……。やっぱり青春っていいですよね! でも私、あんまり高校の頃は友達いなかったから、こういうのってちょっと羨ましいです。だからきっと、いい歳をしてアニメが大好きなんですね、楽しいからいいけど。個人的にはハルヒがなんだかんだで「キョンさえいてくれれば」って思っているところがいじらしくて好きです。
★★★★★ ★★★★★ (10点)



e0076213_1022336.gif「日常にすがるくせに非日常を求める(逆もあり)」という心裡を前提とし、枠組みを守りつつ好きなことをやるというスタッフ(=SOS団)の姿勢はなるほど、巷でささやかれるようにエヴァっぽい。ただしエヴァと大きく違うのは物語の視点が常に個人であり、大きな舞台装置を必要としていない点だ。これが時代の気分なんだなと思う。ただ、切り取ったパーツだけ見ても面白いという原作のスタイルまでもを踏襲したスタッフの力量は素直に評価すべきだし、原作が特殊なので比較が可能かどうかは不明だが、ラノベ原作のアニメだってやり方次第でヒットできるのだという事を示した功績も称えられていい。食わず嫌いはもったいない、ある意味怪作。
★★★★★ ★★★ (8点)



e0076213_10222822.gif〈ビューティフルドリーマー〉のファンが書いたギャルゲー風小説を〈エヴァンゲリオン〉のファンがアニメ化した、という感じ。それが幸いしたのか、原作で鼻についたSF・ミステリ書評系サイト的な「加齢臭」は軽減されていて、いかにも現代風の装い。もっとも、中身の精神性は約20年前、SFファンから絶賛されていた頃の竹本泉あたりと変わっておらず、見かけほどに新しくはない。むしろ、その安心感で売れているんだろうけど、当時の幼稚な少女漫画趣味を引きずったSFファンや、30代にさしかかった「遅れてきたおたく」が感性の若さを強調する道具としては最適の物件で、だからこそアニメ化で「発見されて」大ブレイクしたんだろうね。
★★★★★ ★★★ (8点)



e0076213_10225224.gif 素直に「青春がしたい」と言えないオトコノコが、クドクド見苦しい(そして微笑ましい)言い訳をしながら不思議ちゃんを消費する物語。オタク男子のプライドを守ってあげつつ、弱点を突いてゆくクレバーな原作にはある意味感心していたのだけど、このアニメ版は別の意味で大したもの。原作のメタフィクショナルな側面をうまく強調した構成、映画的な手法を駆使した凝った演出、嫌味にならない程度に散りばめられたパロディと、力のあるスタッフの適度な自己主張が噛み合った完成度の高さは認めざるを得ないでしょう。この10年アレなオタク男子たちの心の拠り所となっていた「メタ萌えもの」の終着点でもあり、限界を露呈した作品でもある。詳しくは近日UP予定の座談会で。
★★★★★ ★★ (7点)
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by wakusei2ndnews | 2006-07-15 10:22 | others