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リーンの翼


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 あの富野由悠季監督の最新作OVA『リーンの翼』が、ついに完結! 日米ハーフのエイサップ鈴木を主人公に新たなバイストン・ウェルの物語がここに展開。元・特攻隊員にして、異世界の王となった前作(小説版)の主人公・迫水が、21世紀の東京に復讐するために侵略の手を伸ばす! 戦後日本に対する愛憎入り混じる怪作を、徹底レビューしました。





e0076213_23585773.gif 正直言って4回目くらいまでお話がよくわかりませんでした。なんか変な名前の登場人物がいきなりたくさんでてくるし、私ではとてもじゃないですけど頭に入りきりません~! でも、本当にこういうパニックがあったら、人間って結構こんな風になるんじゃないかなあ、とは思いました。後半はオーラバトラーの闘いがとってもすごくて、退屈はしませんでしたけど、なんかいきなり歴史とか重いテーマが入ってきてビックリしました。いつのまにかエイサップ君とお姫様がラブラブになっていたのもちょっと驚き。うーん、まだ整理できないなあ。
(7点) ★★★★★ ★★



e0076213_23592643.gif 日本の防衛問題にはじまり、家庭不和、過剰人口、技術至上主義への警鐘、在日朝鮮人差別に至るまで、ありとあらゆる「面と向かいあわなければならない」ものをすごい勢いでかき混ぜて、ロボット活劇の枠に押さえ込んだ超力技作。主役は一応エイサップ鈴木なんだけど、このヘンな名前じゃなければ、存在感は皆無だっただろう。 だって終始サコミズ王に食われっぱなしだったから。 ああいう野心家を描かせると富野は本当に上手い。『24』でお馴染み小山力也の熱演もあいまって存在感は圧倒的。 大の「男」を主人公にして物語を描く、って今の日本のアニメでは貴重だ。 最後の締めがちょいとご都合主義なのが-1点。リュクスの絶対領域に+2点。
(7点) ★★★★★ ★★



e0076213_23593966.gif こりゃひどい。30分×6話というのは確かに一つの物語を成立させるのに十分な長さではないかもしれないが、それにしてもこのとっ散らかりぶりはあまりにも無惨。登場人物たちの行動原理もほとんど意味不明のまま物語は脈絡もなくあっちに行ったりこっちに行ったりして、そしてまったく収拾のつかないまま終わる。なんのためにこんなマイナーな作品を掘り出してきたのか。単に太平洋戦争語りをしたかっただけなのか。それにしたってこんな情緒的なだけの語りにいまさら意味があるとも思えない。ただ終盤のサコミズ王の狂乱っぷりは『∀ガンダム』のギンガナム御大将に迫るものがあり、ネタとしては面白いが……。
(2点) ★★



e0076213_000100.gif 富野監督の悪い癖が出てしまった作品。序盤の速すぎる展開と説明不足は最近の富野作品共通の致命的な欠点なのだが、周囲に指摘できる人がいないのか治る気配もない。中年信者はこれもまた「味」だと解釈してくれるだろうが、そんな連中に受けて本当に嬉しいんですか? と尋ねたくなる。その一方で終盤、サコミズ王(元特攻隊員)が21世紀の東京に絶望して暴れまわるシーンは圧巻。ウヨとかサヨとか、低レベルな次元を超越した(笑)富野電波&ほとばしる情念のあふれる演出は、病的だが(いや、それゆえに)魅力的。若い人は長所と短所を両方発見するつもりで観るといいと思う。
(5点) ★★★★★
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by wakusei2ndnews | 2006-12-22 00:00 | others

涼宮ハルヒの憂鬱

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 原作は角川スニーカー文庫の人気ライトノベル。京都アニメーションの高い作画力などで、2006年春期のTVアニメで断トツの話題作となったアニメ版「ハルヒ」を取り上げます。



e0076213_10214451.gif 第1話がなんかいきなり番外編からはじまってびっくりしましたけど、これって原作のお話がバラバラの順番で放映されたんですね。少し戸惑っちゃいましたけど、こんな楽しいアニメは久しぶりでした。文化祭での映画作りとライブ。夏休みの合宿。日曜日の草野球大会……。やっぱり青春っていいですよね! でも私、あんまり高校の頃は友達いなかったから、こういうのってちょっと羨ましいです。だからきっと、いい歳をしてアニメが大好きなんですね、楽しいからいいけど。個人的にはハルヒがなんだかんだで「キョンさえいてくれれば」って思っているところがいじらしくて好きです。
★★★★★ ★★★★★ (10点)



e0076213_1022336.gif「日常にすがるくせに非日常を求める(逆もあり)」という心裡を前提とし、枠組みを守りつつ好きなことをやるというスタッフ(=SOS団)の姿勢はなるほど、巷でささやかれるようにエヴァっぽい。ただしエヴァと大きく違うのは物語の視点が常に個人であり、大きな舞台装置を必要としていない点だ。これが時代の気分なんだなと思う。ただ、切り取ったパーツだけ見ても面白いという原作のスタイルまでもを踏襲したスタッフの力量は素直に評価すべきだし、原作が特殊なので比較が可能かどうかは不明だが、ラノベ原作のアニメだってやり方次第でヒットできるのだという事を示した功績も称えられていい。食わず嫌いはもったいない、ある意味怪作。
★★★★★ ★★★ (8点)



e0076213_10222822.gif〈ビューティフルドリーマー〉のファンが書いたギャルゲー風小説を〈エヴァンゲリオン〉のファンがアニメ化した、という感じ。それが幸いしたのか、原作で鼻についたSF・ミステリ書評系サイト的な「加齢臭」は軽減されていて、いかにも現代風の装い。もっとも、中身の精神性は約20年前、SFファンから絶賛されていた頃の竹本泉あたりと変わっておらず、見かけほどに新しくはない。むしろ、その安心感で売れているんだろうけど、当時の幼稚な少女漫画趣味を引きずったSFファンや、30代にさしかかった「遅れてきたおたく」が感性の若さを強調する道具としては最適の物件で、だからこそアニメ化で「発見されて」大ブレイクしたんだろうね。
★★★★★ ★★★ (8点)



e0076213_10225224.gif 素直に「青春がしたい」と言えないオトコノコが、クドクド見苦しい(そして微笑ましい)言い訳をしながら不思議ちゃんを消費する物語。オタク男子のプライドを守ってあげつつ、弱点を突いてゆくクレバーな原作にはある意味感心していたのだけど、このアニメ版は別の意味で大したもの。原作のメタフィクショナルな側面をうまく強調した構成、映画的な手法を駆使した凝った演出、嫌味にならない程度に散りばめられたパロディと、力のあるスタッフの適度な自己主張が噛み合った完成度の高さは認めざるを得ないでしょう。この10年アレなオタク男子たちの心の拠り所となっていた「メタ萌えもの」の終着点でもあり、限界を露呈した作品でもある。詳しくは近日UP予定の座談会で。
★★★★★ ★★ (7点)
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by wakusei2ndnews | 2006-07-15 10:22 | others

メカビ


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 講談社の「オタク雑誌」がついに始動! 『電波男』の本田透を擁したその雑誌の名は「メカと美少女」……略して「メカビ」!
 「男はみんなオタクである」という挑発的なコピーで登場した創刊号を、徹底レビューします。


e0076213_123144.gif 私、本田透さんって、可哀相な人だと思うんです。本当は三次元の恋人が欲しいし、自分が言っていることがおかしいって心の底では気付いていると思うんです。なのになんか恥ずかしくなって今更「彼女が欲しい」って言えなくなっているような気がします。この雑誌を読んで、本当は「メカと美少女」以外のものが欲しい人たちが素直になれないで作ったんだなあ、と思いました。ごめんなさい。個人的には『ディスコミュニケーション』の植芝先生や『R.O.D』の倉田先生のインタビューがすごく面白かったです。なんだか嫌な感じのする雑誌だけど2号が出たらまた読んじゃうと思います。
(7点) ★★★★★ ★★


e0076213_1233218.gif アカデミック系の記事が物足りないし、引用の仕方が乱暴だなあと思う部分がある。せっかく筑摩書房がスポンサーなのに、どうしてどの評論にも参考文献がないの? 明示的には書いてないけど、本田透のモトネタが八〇年代の教養ブームにあるんだなあと思った。ポトラッチとかの人類学ネタは栗本慎一郎で、一神教や多神教の話が中沢新一あたり。近代と中世を図式的に説明するのは『構造と力』で、学生運動から恋愛へというのが上野千鶴子。そして人間は共同幻想の中でしか生きられないんだというのがまさしく岸田秀。本田透は学生時代に読んでたんだろうなあと思うけれど、読者はモトネタのモトネタも読んでおかないと、モトネタの恣意的な解釈に騙されるよ、って危惧を感じる。クリエイターへのインタビュー系は、落ち着いて読めて良い。
(5点) ★★★★★


e0076213_1234655.gif オタクの財布に目をつけたオヤジと権威による箔付けを求めた萌えオタクががっつり手を組んだ結果生まれた雑誌。つーか『批評アフタヌーン』って感じ。思惑が噛みあってるようで噛みあってない所が素晴らしい。萌えオタク的な美意識の露出を極力隠し知的な印象を与えていてオタクの歪んだ性癖から来るエロキモ度が足りない。簡単に言うと『げんしけん』的。あと本田透が電波男で振り上げた拳を何とか軟着陸させようとしてるなぁと思った。それにしてもアフタヌーンネタ多すぎ。まぁ植芝理一先生のインタビューが読めたのは嬉しいけど。次は鬼頭莫宏先生お願いします。
(5点) ★★★★★


e0076213_124530.gif 天下の講談社でよくもこんな企画が通ったものだなと驚愕。濃い記事をたっぷりと読ませる希少なメディアとしてがんばって欲しい。が、雑誌のカラーが本田透系一色なのはあまりに勿体ない。オタク文化のポデンシャルって、それだけで括れるものではないでしょ? 「メカと美少女」というけれど、みんな本当にそれだけで満足できる? こういう場ができたこと自体は面白いと思うけど、もう少し色々な立場の書き手を集めてバラエティに富んだ誌面にしないとせっかくの場を生かしきれない。うまく転がればかなり面白い本になるはずなのだけど。まずはきちんとレールに乗せられるかどうかが勝負でしょう。
(5点) ★★★★★
 
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by wakusei2ndnews | 2006-06-23 01:24 | others