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新選組!! 土方歳三 最期の一日

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 2004年のNHK大河ドラマ『新選組!』の続編が正月時代劇として放映。
 近藤勇の死で終了した前作の続編は、土方歳三(山本耕史)を主役に据えて五稜郭攻防戦を描く後日談。
 奇しくも『古畑任三郎ファイナル』第一夜と三谷幸喜作品同士が裏番組で相打つことになった本作を、クロスレビューします。


e0076213_21481742.gif 大好きだった『新選組!』の中でも特にお気に入りだった土方(山本耕史)さんが主役のスペシャルが観られるなんて、それだけで幸せです! しかも関西歌舞伎のプリンス・片岡愛之助さんが榎本武揚役で山本さんとやりあうなんて、まさに夢の競演です! 一番感動したのは、それまで「死に場所」を求めていた土方さんが榎本さんとのやりとりの中で「生きるために」戦うことを決意したところです。最後は結局負けちゃう悲しいお話なんですけど、理想のために生きる男の人ってやっぱりカッコイイですよね。私は今時のチャラチャラした人よりも、こんな風にしっかりと自分の意見を持った中身のある人が好きだなあ。
★★★★★ ★★★★★ (10点)


e0076213_2148464.gif 後日談としては上々の出来だけど、結局ファンアイテムの域からは半歩くらいしか出ていない。新撰組好きで見てた人には、連中のあいも変わらずな姿も見れて満足だろうが、そうでない人には新たに得られるものはなかったんじゃないかな。三谷なら榎本や大鳥の牢名主時代やその後を書いたほうが面白くなりそうだ。主人公を偉く見せるために他の人物を小物に描く、という歴史物常套の手は鼻につくけど、後半うまく挽回できていた。吹越満はいい役者だなあ。榎本も悪くはないが降参したあと牛飼いたい、なんて発想がのんき過ぎる。土方の最期に近藤が…というのは覚悟はしていたが、やっぱり香取はカンベンしてほしかった。
★★★★★ (5点)


e0076213_2149044.gif 俺は以前『新撰組!』を『ガンダムSEED』に似てると評したけれども、同じ意味でこれは『デスティニー』とそっくりだ。薄っぺらいキャラが身の丈に合わない役回りを背負い込んでドツボにハマっていく『新撰組!』前半にはそれなりの切なさを感じたけれども、大物気取りで暑苦しく天下国家を語るようになった後半にはついていけなかった。『土方~』も天下国家とか語っちゃってる自分たちに対する違和感とかそんなものはまったく描かれず、ただひたすら空疎な理想論と大仰な悲壮感が垂れ流されるだけ。こういうのをクソロマンチシズムと言う。絵面もしょぼいしまったくいいとこナシ。
★★ (2点)


e0076213_21491661.gif 前半の土方VS榎本のロマンをめぐるやりとりは三谷ダイアローグの見本のような素晴らしい出来。中身がないって? 三谷幸喜にそれを求めるのが間違い(笑)。三谷にとってテーマは物語を盛り上げるためのスパイスに過ぎない。だから結論が宙吊りでも中身がなくても機能さえすれば三谷ドラマは成立する。だが本作の問題は、前半の名ダイアローグをもってしても、「負け戦をカッコよく見せる」という最大のポイントをクリアできなかった(テーマが物語に貢献しなかった)こと。大河ドラマも後半ここでつまづいていたが、全く同じ過ちを繰り返している。惜しい出来なのだけど、これが三谷メソッドの限界かも。榎本は愛之助に代えて正解。
★★★★★ (5点)
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by wakusei2ndnews | 2006-01-20 21:49 | drama

古畑任三郎ファイナル

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 「和製コロンボの決定版」としてスタートした三谷幸喜脚本の人気ドラマシリーズがついに完結!
 今回は3夜構成で、第一夜(藤原竜也&石坂浩二)、第二夜(イチロー)、第三夜(松嶋菜々子)を犯人役に迎え、古畑(田村正和)との対決が描かれた。
 さて、その出来栄えはいかに……!



e0076213_22364672.gif もう、あの古畑さんに会えなくなるなんて悲しすぎます! 古畑さんって、本当にいたら絶対に友達にはなりたくない感じの人ですけど、こうしてお話の中に出てくる分には大好きでした。特に今泉君とのやりとりは毎回いちばん楽しみにしていました。この『ファイナル』は大ファンの藤原竜也クンが出ている最初のお話を楽しみにしていたんですけど、一番感動したのは最後の松嶋菜々子さんのお話のラストシーンでした。古畑さんって、本当は人の痛みがわかる優しい人だったんですね。最後の静かなダンスは、一生忘れられない美しいシーンだったと思います。でもやっぱり終わっちゃうのが寂しいです~。
★★★★★ ★★★★ (10点) 


e0076213_2237735.gif 気負った感じもなくまったりと迎えたファイナル。シリーズ第一作目にリンクするラストはなんか無理矢理だったけど、妙にしみじみしてしまった。やたらと「ドラマやマンガじゃあるまいし…」とか「みんな視聴率に左右されすぎ」といったメタなセリフが耳に残ったが、そういった視聴者のメタな視点はすべて、ベタなストーリーで斬り返される。相変わらず推理は乱暴だけど、そこは古畑の論点でないから突っ込むだけ野暮というものですね。ちなみに第一夜「今、蘇る死」は古畑が出てこなくても充分単発でイケたんじゃないかと思うくらいにお気に入り。特に藤原竜也の声優ボイスとヤオイ演技が、我が家の腐女子に大絶賛でした。
★★★★★ ★★★★ (9点)


e0076213_22373885.jpg 第1夜がトリック・エピソード構成上の「最も手強い計画殺人」、第2夜が99年スペシャルのSMAPにつづく「本人役有名スターもの」、第3夜が「女性犯人役との淡いロマンス」と、それぞれ異なる目玉をばらけさせて人気シリーズの集大成をやろうとする企画性は秀逸で、3夜の流れは総じて楽しめました。が、第3夜の双子入れ替わり話は、シリーズの1エピソードとしては充分面白かったけど、ファイナルに持ってくる大トリとしては役者のスペシャル感や趣向性がいまいち。「ドラマ脚本家」や「ブルガリ三四郎」といった道具立てからは、ある程度シリーズ終幕に相応しい自己言及性を狙っていた形跡も見受けられるんですが、それと第1シリーズ第1話の女性漫画家話を重ね合わせる意図とがバッティングして中途半端になってしまったのが残念。
★★★★★ ★ (6点)


e0076213_22375747.gif 第3シリーズがかなり酷かったのでどうなることかと思いきや、まずまずの出来で安心。第1夜の2段オチ、第3夜のラストシーンの余韻に比して、第2夜がただイチローが出ているだけで物足りなかったけど、まあこんなもんでしょう。ただ、第3シリーズから顕著になった自己言及ネタは大した批評意識があるわけでもなく、単に興ざめ。3夜の中森明菜のことに触れるシーンはファンサービスだったのだろうけど、個人的には古畑は腹の底では何を考えているのかわからない怪人物でいて欲しかった気もする。シリーズ全体を総括するならやはり、脂がのっていたのは第2シリーズからSMAP編にかけてでしょう。とりあえず和製コロンボの決定版として恥ずかしくないシリーズでした。お疲れ様。
★★★★★ ★ (6点)
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by wakusei2ndnews | 2006-01-19 22:39 | drama

男たちの大和 YAMATO


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「あの男」が日本映画界に帰ってきた……!
鬼才・角川春樹プロデュース、辺見じゅん原作、巨額予算を投じた戦艦大和のセットと豪華キャストで送る大作お正月映画『男たちの大和 YAMATO』……予想外のヒットを見せるこの映画を、新旧レビュアーが切ります!


e0076213_23233572.gif もう途中から大泣きです。最初は「なんか汗臭そうな映画だなあ」と思っていたんですけど、年の最後に「戦後60年」を私なりに真剣に考えてみようと思って劇場に足を運びました。反町君も出ているし……。最初は、軍隊っていやなところだなあって思って見ていたんですけど、戦争という過酷な状況の中で、一生懸命愛する人を守るために戦って、そして死んでいく人たちの姿を見ていると、涙が止まらなくなりました。特に蒼井優ちゃんが原爆で死んじゃうのはショックでした。こんな尊い犠牲の上に、今の私たちの平和ってあるんですね。映画館を出るとき、思わずスクリーンに向かって敬礼してしまいました。
★★★★★ ★★★★★ (10点)


e0076213_23223138.gif 角川春樹プラス佐藤“北京原人”純彌というので期待していたが、それを裏切りそこそこ出来た佳作。戦闘シーンは全体的に短いし、CGは使い回しもあり安っぽいが、プライベートライアンみたいな迫力は出ていた。蒼井優は可愛かった。他の女優陣が必要以上にアクが強いので尚更清涼剤になった。寺島しのぶの芸者は勘弁してほしい。「男」連中はそれなりに熱演しているが、それぞれがバラバラでまとまりなく感じた。この映画全体の感想もそうだ。愛するもののために戦うのはいいが、「国」と「国」の戦争という大きなスケールに欠けていたのは残念。それに精神的支柱の大和がただの時代遅れの張子の虎という面も深く描けなかっただろうか。最後の作戦に敢然と異議申し立てをする本田博太郎はカッコイイ。
★★★★★ ★ (6点)


e0076213_23224362.jpg 戦後60周年のトリを飾るに相応しい大作感と気迫の伝わってくる良作。「作品」としては、いろいろな綱引きの結果、ゼロ年代らしい標準的なバランス感覚の当たり障りないものに落ち着いていたが、そんな客席での鑑賞なんぞは、あくまでこのプロジェクト全体の上澄みに過ぎなかろう。この映画の真価はむしろ、角川姉弟が私財を投げ打って実際に沈んだ大和を見つけ、コスト度外視の実物大セットをこさえ、役者たちやスタッフの身体を通じて軍隊生活を再現したりした、関係者や作り手側の営為にある。観客は彼らの体験継承や鎮魂の「儀式」ないし「祝祭」のパトロンとして金を払い、作品自体はその活動報告くらいに思った方が、自らの関わりうる文化というもののイメージを有意義にできると思う。
★★★★★ ★★★ (8点)


e0076213_2323199.gif 史実通り誰もが撃沈すると思っていたYAMATOが、何かの間違いで沖縄に到着してしまいました(笑)。ストーリーはベタベタな泣かせ映画。しかし、つくりはしっかりしていて、たっぷりお金をかけた分、見ごたえのある大作に仕上がっている。イデオロギー的なところは無難にかわしているところもクレバー。下士官と新兵に焦点を絞ったのも◎。でも現代パートは教科書的に真面目すぎて白けるなあ。まあ、この映画は何より「●●●●が真剣に電波を放つとたまに奇跡が起こること」を証明した意義が大きいのでしょう(笑)。次はぜひ『REX2』を撮ってください。100億かけて恐竜ロボをつくって、もちろん主演は安達祐実。今度のオチはマリファナで。
★★★★★ (5点)
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by wakusei2ndnews | 2006-01-13 23:23 | movie