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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society


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あの「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」シリーズの最新作はなんと100分の長編!
映画並みの長尺でIG若手スタッフが挑んだ「SSS」を徹底レビューしました!



e0076213_0365776.gif 押井監督の「攻殻機動隊」って、絵はきれいですけれどお話がなんだか難しくてとっときにくいところがありますよね。その点、この 「STAND ALONE COMPLEX」シリーズは、映画よりはずっとわかりやすいし、それになんだか出てくるキャラクターが人間っぽくて安心して見れます。お話はハードで考えさせられるものが多くて、このスペシャルも、今の安倍政権の右翼っぽいところとかについて、真剣に取り組まなきゃいけないのかなあ、って思いました。みんなこのアニメを見て、選挙のときは本当にいい政治家を選んでほしいですね! 最後は、素子とバトーがちゃんと再会できてよかったです。
(9点) ★★★★★ ★★★★



e0076213_0362553.gif 前作『2nd GiG』はどうも煮え切らないというか、『攻殻』の嫌らしい部分ばかりが目に付いていまひとつだったが、今回は秀作と言っていい。序盤から中盤にかけて密度の高い脚本でナルシズムの払拭に成功している。特に成長したトグサとやさぐれたバトーの関係の機微は秀逸。ネット社会への批評性も(一作目には及ばないものの)かなりイイところを突いている。しかし、トグサが主人公の間はビンビンに感じられていた緊張感が、素子が合流した途端に緩むのは気になるところ。草薙・茅葺といった女ボスに去勢されたマッチョ達という構図は、原作の戦闘美少女的な要素を忠実に継承しており、今になって押井攻殻の射程の深さを浮き彫りにしているような気がしないでもない。
(7点) ★★★★★ ★★



e0076213_0371758.jpg タチコマ達レギュラーメカよりタイアップの日産製未来コンセプトカーが目立ってたと感じたのは気のせいでしょうか。内容は2時間弱でうまい事まとまっていた…と言いたいのですが、クライマックスのアクションシーン以降の「いかにも現代の世相を反映しました!」な政権批判っぽい演説が退屈でした。なにもそこだけ全部台詞にしなくたって…。今思うと本拠地が都庁っぽいし…。でも逆に言うと、そこまでは、そこまでは非常にすばらしかったです。まあそれらもラストの素子さんの半ケツっぷりに比べたら些細な事なんですけど。ハイレグならまだしも、なんですかアレは。広大なのはネットじゃないですよ。ほんとに。
(6点) ★★★★★ ★



e0076213_0373391.gif 一生懸命勉強して退屈させない脚本を書いているのは認めるけど、ハッキリ言ってスタッフの問題意識と理解は社会派中学生レベル。このレベルのメッセージなら間違いなく入れないほうがいい(笑)。老人団体の動機も詰めが甘いのだが、特にラストに安倍シンゾーソックリの政治家が出てきて批判されるくだりは「陳腐ここに極まれり」といった感じ。いや、別に安倍もネオリベも嫌いだけど、さすがにこういうクサしで何かを考えた気になるのはバカだし、何より作品にとってプラスにならない(むしろ足を引っ張っている)。無駄に背伸びして高尚なテーマに手を出しているところが目立つ作品だが、全体的には佳作。高密度のアクションと謎解きを堪能する分にはオススメです。
(5点) ★★★★★
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by wakusei2ndnews | 2006-11-17 00:37

ひと夏の経験値




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 舞台は90年代前半。テーブルトークRPGに耽溺するオタク高校生軍団の前に現れた一人の美少女!
 ファンタジー世界に現実逃避を続ける少年たちのハートが鷲づかみにされたそのとき、彼等の中で「何か」が変わり始める……。
 TRPG誌「ロール&ロール」に連載され、賛否両論を呼んだ傑作サークルクラッシュ(未満)小説をレビューします!



e0076213_119262.gif とにかく懐かしい~。私も高校のころは友達に誘われて、テーブルトークRPGにハマっていました。他はみんなオトコノコばっかりだったけど、みんな私に優しくしてくれて、とっても楽しかった想い出があります。でも、この本に書いてあることが本当だとすると、もししかたらあの頃一緒に遊んでいたオトコノコって、私のこと好きだったのかもしれない……とか思っちゃいました。でも、誰も告白してくれなかったのはどうしてなんだろう。告白されたらされたで、ちょっと困っちゃったと思うんですけどね。あー、私もまた、ちやほやされたいなあ。
(9点) ★★★★★ ★★★★



e0076213_1192095.gif 恋愛に対して臆病で不器用な「草食動物」な少年たちの青春物語。こっぱずかしくてカッコ悪い青春だからこその楽しさが嫌味なく描かれていてけっこう胸キュン。ただオチがちょっとヌルいよなあ。多少苦い結末であった方が、その不毛な輝かしさがより際立ったのではないかと思う。あと、現実の自分の行動に対してはあれほど自覚的な主人公が、ゲームマスターとしての自分の心理にはなぜあれほど無自覚なのかが疑問。そこをもう少し突っ込んでいれば、90年代初頭のTRPGシーンという舞台設定にも、ノスタルジー以上の意味を持たせられたのではないだろうか。
(4点) ★★★★



e0076213_119461.gif 90年代前半が舞台のテーブルトークRPGサークルに所属する高校生の青春譚。男ばっかりでゲームやってたトコにかわいい女の子が参加することでっていう展開なんだけど、当初予想していた方にはあまり行かず思ったよりいい話で最後はちょっと拍子抜けしたけど青春モノとして秀作。スポーツをする同級生の男子生徒を見て、俺達だって青春してるんだって突っ張るトコは『さくらの唄』を思い出した。主人公の男の子には共感したけど、あれは悪い方に転がる可能性の方がデカイんだよなぁ。あとは一人の男の子が脱オタする展開が泣けた。思春期の男の子の痛くてかわいい部分が刻みこまれた作品だと思う。
(7点) ★★★★★ ★★



e0076213_1110224.gif テーブルトークRPGの類はまったく興味が沸かず、一度も経験していない私でも十二分に楽しめたのは、やはりサークルクラッシャー小説としての完成度の高さだろう。「いい人」であるが故にオタクの遊びにつきあってあげる女子の善意が、ピュアな童貞男子たちをドキマキさせる過程の描写が素晴らしい。脱オタに走る人間への僻み根性や、「告白」なんて思いもよらないウブさ加減といい、あざとい戯画化が空回りがちだった『ヨイコノミライ』よりも、本作の方がぐっとリアルで深く、しかも愛情に溢れている。この世に不器用な童貞男子よりカワイイものはないのだ! ただ、もう少し悪意があればぐっと面白くなったはずで、そこが残念ではある。モテない恨みをネット恋愛論パフォーマンスにぶつけているタイプの人にもオススメ。
(6点) ★★★★★ ★
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by wakusei2ndnews | 2006-11-03 11:10 | novel