松本大洋原作の人気コミックスが遂に映画化! スタジオ4℃がその技術の粋を凝らした話題の映画版をレビューします。 感動しました! 年末年始にかけて2回観に行って、今も部屋でひとりでシロの物真似をしています……! と、いうのは流石にうそですが、それくらい感激したのは本当です。本当に純粋なものって何なのか、この映画から私は教わった気がします。映像もとってもきれいで、もっと汚いイメージだった原作の「宝町」が、なんだかテーマパークみたいにカラフルで楽しい町に思えてきました。声優さんもすっごくよくて、蒼井優ちゃんも、クドカンさんも、そしてモックンも、あのキャラのイメージにピッタリで最高にハマっています! オタクの人って芸能人ってだけで嫌っちゃうけど、それって偏見だと思いまーす! ★★★★★ ★★★★★ (10点) 映像的には原作とかなり異なるテイストながらも確固たる世界観を構築していて良い出来。キャスティングもシロ・クロの二人を除けばなかなか味のある声が揃っている。ストーリーも「シロとクロの物語」としては手際よくまとまっているのだが、ただ、原作の根底にあった「失われゆく『昭和』の風景への惜別」というか、町が人を作り人が町を作るという関係の消滅に対する寂寞感、そういう部分は(おそらく意図的に)排除されている。原作が描かれた頃とは時代も変わってしまっているので、それは映画として正しい選択なのだろう。しかしそのために宙に浮いてしまった部分も多いし(例えばもう一方の主役である木村の存在)、それらを無視して「シロとクロの物語」だけを取り出してどれほどの意味があるのだろうかとも思う。原作を読んでない人にはそれほど気にならないことなのかもしれないけど。 ★★★★★ (5点) 松本大洋の原作コミックは昔友人から貸りて読んだ。そのときの感想は絵のテクニックは凄いが、内容は陳腐だな、というものだった。それから10年以上経過し、今回アニメ映画化されたわけだが、印象は全く同じ。アニメのテクニックは凄い。原作の、いい意味でごちゃごちゃした街を見事にデジタルアニメ化して見せたのにはびっくり、しばらくは口をあんぐり開けて見ていた。けど凄いのはそこまでで、光と闇のわかりやすい象徴であるシロとクロを始め、ステロタイプのキャラクターばかりが登場して織りなす物語は原作と同じで薄っぺらく陳腐。観念的なまま終わらせてしまうラストもつまらない。蒼井優が声優としても優秀なのはわかったが。 ★★★ (3点) 『マインド・ゲーム』のような衝撃はないものの、少なくとも映像表現に関してはスタジオ4℃がこれまで蓄積してきたノウハウの集大成ともいえる完成度を持っている、と言えるだろう。特に美術と音響の達成は特筆すべきものがある。蒼井優も巧い。しかしその反面、シナリオ面はボロボロと言うしかない。そもそも松本大洋って90年代前半のオモイデに頭をもってかれた中年サブカル(下北病にかかっている感じの)どものせいで妙に値上がりしているけど、はっきり言って中身はない(笑)。暴力性と表裏一体の無垢さをドッベルゲンガーという陳腐なアイテムで表現しちゃうあたりの貧困な想像力は、今時辻仁成でもやんないわけで、この人間理解の浅さは『永遠の仔』を観て心理学部に殺到する学生並。『ストロベリーショトケイクス』のときも思ったのだが、90年代前半サブカルを現在に耐えうるものにするためには、かなりの取捨選択と洗練が必要だと思う。あの頃のオモイデを大切にしたいなら、もっと頑張ってください。 ★★★★★ ★ (6点) #
by wakusei2ndnews
| 2007-02-17 00:05
| movie
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